NHKマイルCは今年も牝馬。
中11週のテトラドラクマが不気味だわ

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Ito Yasuo /AFLO

 今週末6日、東京競馬場では3歳馬によるGI NHKマイルC(芝1600m)が行なわれる。1996年に創設された比較的新しいGIレースで、今年が23回目となる。

2月のクイーンC以来、という異例のローテでNHKマイルCに挑むテトラドラクマ2月のクイーンC以来、という異例のローテでNHKマイルCに挑むテトラドラクマ  このレースは桜花賞に出走した牝馬、皐月賞に出走した牡馬、マイル路線を歩んできた馬との能力比較がテーマとなる。今年は、皐月賞組はいないが、桜花賞組の2頭が出走を予定。一昨年のメジャーエンブレム(桜花賞4着)、昨年のアエロリット(桜花賞5着)と、ここ2年続けて桜花賞組が勝利しているので、今年も注意が必要だろう。牝馬が2連覇中ということで、桜花賞組に限らず、出走予定である4頭の牝馬にスポットを当ててみたい。

 当初、桜花賞出走馬は3頭が登録を行なったが、4着のトーセンブレスが回避してGIオークスへ向かうこととなり、2頭となった。10着馬プリモシーン(牝3歳/木村哲也厩舎)と11着馬アンコールプリュ(牝3歳/友道康夫厩舎)である。

 プリモシーンは初勝利がこの東京芝1600mだった。昨年10月に行なわれたその未勝利戦は、後方2~3番手追走から後半3F(ハロン)で33秒2というすばらしい瞬発力を見せて、差し切り勝ちを収めた。2着馬と長い叩き合いの末クビ差の辛勝だったが、破ったテトラドラクマはその後、未勝利戦を5馬身差で圧勝し、今年2月のGIIIクイーンCも制した強敵だ。3着には5馬身もの差をつけた。

 プリモシーンは続くGIIIフェアリーS(1月7日/中山・芝1600m)でも鋭い末脚を伸ばして重賞初制覇を飾ったが、前走のGI桜花賞(4月8日/阪神・芝1600m)ではスタートで2馬身ほど出遅れる大きな不利。10着に終わったが、直線でもゴチャついた馬群の中で伸びきれなかったので、見直しは可能だろう。

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