桜花賞のジンクス「前哨戦で負けた
リリーノーブルが勝つ」は正しいか

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(4月8日/阪神・芝1600m)は、ラッキーライラック(牝3歳/父オルフェーヴル)の断然ムードにある。

 GI阪神ジュベナイルフィリーズ(2017年12月10日/阪神・芝1600m)を含めて、ここまで4戦4勝。舞台となる阪神・芝1600mでも、2戦負けなしだ。前哨戦となるGIIIチューリップ賞(3月3日/阪神・芝1600m)でも、休み明けながら後続に2馬身差をつける完勝劇を披露。同レースから本番に臨んだ馬が過去20年で13勝と、ローテーション面での好相性も踏まえれば、もはや付け入る隙はなさそうである。

 だが、ラッキーライラックで本当に決まりなのか。

 チューリップ賞組がデータ的に有利であることを先に記したが、桜花賞馬となった13頭のチューリップ賞での着順を調べてみると、実は1着馬はわずかに3頭。逆に2~4着馬が9頭と、桜花賞には「前哨戦からの巻き返し」という歴史があることがわかった。

 ちなみに、チューリップ賞→桜花賞と連勝を飾った3頭(2001年のテイエムオーシャン、2009年のブエナビスタ、2014年のハープスター)も、それ以前に一度は敗戦を経験している。要するに過去20年において、チューリップ賞経由で無敗のまま桜花賞を制した馬は1頭もいないのである。

 そうなると、"前哨戦からの巻き返し"という歴史が今年も繰り返されるのではないだろうか。はたして、その逆転候補となるのはどの馬なのか。

 該当するのは、チューリップ賞で2~4着に入ってここに挑む馬。2着マウレア(牝3歳/父ディープインパクト)、3着リリーノーブル(牝3歳/父ルーラーシップ)の2頭になる。

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