武豊騎手も好感触。2億円超えの高額馬、カザンに早くも大噴火の予感

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第31回:カザン

 これまでに数多くの素質馬がデビューしてきた今年の新馬戦。年明け早々にも、この世代で注目を集める"高額馬"が登場する。

 栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎に所属するカザン(牡2歳/父ディープインパクト)である。

 その存在を一気に知らしめることになったのは、2016年夏。日本最大級の規模を誇る競走馬のセリ市「セレクトセール」において、2億3500万円という高値で落札されたのだ。

 この年の1歳馬としては上から2番目の金額で、当歳(0歳)のセクションと合わせても5番目の高値だった。

 もちろん、それだけの評価を受けるのには理由がある。

 まず母のシャンパンドーロは、現役時代にアメリカで活躍。GIタイトルをふたつ獲得した名牝なのである。

 さらに、シャンパンドーロの半弟もアメリカのGI勝ち馬で、近親にも成功を収めた馬がたくさんいる。そんな良血馬が、日本屈指の種牡馬ディープインパクトと配合して生まれた子である。とすれば、そうした高額で取引されるのも頷ける。

 また、ここに来てカザンへの関心が一層高まっているのは、母となったシャンパンドーロの産駒が、日本で注目に値する活躍を見せているからだ。ひとつ上の兄フォギーナイト(牡3歳/父タピット)である。

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