古馬キタサンブラック×3歳サトノダイヤモンド。有馬はどっちが強いか (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 過去60回の有馬記念で、3歳馬は4歳馬の25勝に次ぐ17勝。その17頭のうち半数以上の10頭が今回のサトノダイヤモンドと同様に菊花賞から直行で有馬記念に出走しており、ローテーションには好感が持てる。レース間隔が約1カ月となるジャパンカップ組に比べても十分な休養と調整期間があるのは有利だ。中山コースは皐月賞で走っており、勝ったディーマジェスティから0秒4差の3着だった。当時は日本ダービーにピークを持っていくよう調整されていたので、敗れたとはいえ内容的には悪くなかった。菊花賞で3000mの距離を克服し、脚質的にも中団より前で競馬ができる器用さを持っているので、コーナーを6度回るこの中山芝2500mも問題ないだろう。

 キタサンブラックもデビューから3連勝で昨年のGIIスプリングステークス(中山・芝1800m)を勝ち、皐月賞3着。菊花賞でGI初制覇を果たしたところまではサトノダイヤモンドと似たような足跡を辿ってきた。菊花賞は控える競馬で勝利を収めたが、昨年の有馬記念以降は逃げ先行の競馬が板に付き、安定性を増している。今年の春には天皇賞・春(京都・芝3200m)を逃げ切り。この秋はGII京都大賞典を2番手からの競馬で制し、ジャパンカップはレース史上3頭目の逃げ切りを果たしている。

府中2400mを逃げ切り。地力をつけているキタサンブラック府中2400mを逃げ切り。地力をつけているキタサンブラック

 データ的に気になるのがジャパンカップ勝ち馬の有馬記念成績だ。過去36回のジャパンカップ勝ち馬のうち、有馬記念に出走したのは12頭。そのうち勝利したのは1985年シンボリルドルフ、2000年テイエムオペラオー、2004年ゼンノロブロイ、2006年ディープインパクトの4頭。いずれも競馬史に残る名馬ばかりだ。

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