【木村和久連載】高級ゴルフ倶楽部でやらかす「ビジターあるある」 (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

「いや、タダなんだから」と開き直って、もう少しもらっていこうと2度目の"試技"を敢行。しかしその瞬間、キャディーマスター室から鋭い視線が......。

「やべぇ~、見られている......」

 わしづかみしかけたティーをやんわり戻します。それから、小鳥がついばむようにして2、3本だけ拝借。なんだかなぁ~、立ち食いそば屋のネギ入れ放題ってわけにはいかないようですな。

 さてさて、せっかくの高級倶楽部ですから、恥ずかしいプレーはできませんし、ちょっくら肩ならしに練習でもしておきますか。

 クラブを数本持って練習場へ行くと、そこでまた驚愕させられます。なんとボールがコースで使える本球なのですから。実際はロストボールなんでしょうが、確かに打ってみると、普段練習場で打っているボールとは打感がまったく違います。

「さすがだなぁ~」と感心していると、なぜかまっさらな新しいボールも出てくるから驚きです。「え~!? これもロストボールなの? 有名ブランドで、量販店でも1個500円以上はする代物ですよ! 誰かが池にでも落としたんでしょうか」って、じぃ~と見ること3秒。それから、周囲をゆっくりと見回して、誰もこっちを見ていないことを確認すると、すかさずボールをポケットにしまい込みましたとさ。トホホ......。

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