【ワールドカップ】スペインの強さだけが際立った今大会 世界一でもなお未完成の、危うさを感じさせるチームの頂はどこにあるのか (2ページ目)
今大会は、出場国数が32から48に増えたことにより、優勝するためには前回大会よりも1試合多い、8試合を戦わなければならなかった。
その点、常にボールを保持し、自らが主体的に試合を進めるスペインは、心身両面での消耗が他国よりも抑えられていた可能性は高い。
一方で、アルゼンチンは決勝トーナメントに入って以降、これが3試合目の延長戦。それ以外の2試合も、最終盤まで勝負の行方がわからない、いかにも消耗が激しい試合を強いられてきた。
しかも、決勝が行なわれたニューヨーク・ニュージャージースタジアムには屋根がなく、キックオフ時はピッチ全面が直射日光に照らされていた。ようやくピッチの半分ほどが日陰になったのは、延長戦に入ってからのことである。
15時キックオフという暑さのなかで迎えた決勝戦において、それぞれのサッカースタイル、そして勝ち上がり方を比べたとき、スペイン優位は明らかだった。
それほどにスペインは、徹底してボールを保持してパスを回し、常に敵陣でサッカーをし続けた。それは相手がどこで、どんなサッカーをしてこようとも、今大会を通じて貫かれた、スペインの確固たるスタイルである。
ただし、現在のスペインは、ユーロ(2024年)とワールドカップを連覇したものの、まだまだ未完成の、どこか危うさを感じさせるチームでもある。実際、ボールポゼッションを高めて敵陣深くまで攻め込みながら、絶対的なセンターフォワードを持たないチームは、点を取ることに苦労する試合が珍しくない。今大会のグループリーグでも、得点するのにてこずる試合が目立った。
その意味で言えば、フランスに何もさせずに効率よく2点を奪った準決勝より、ボールを保持し続けるものの、もたつきも目についた決勝のほうが、今のスペインらしさが出ていた、と言えるのかもしれない。
裏を返せば、ユーロ、ワールドカップの二冠を制してもなお、現在のスペインはさらに強くなる余地を残している、とも言えるだろう。
デ・ラ・フエンテ監督もまた、こんな言葉で決勝を振り返っている。
「もっとよい結果を残せたかもしれないが、このチームの歩み、努力、そしてハードワークは、将来私たちをより強くしてくれると確信しているので、とても満足している」
今大会のスペインは、グループリーグ初戦でカーボベルデとスコアレスドローに終わり、不安な船出となった。
だが、大会が進むごとに調子を上げると、最後は優勝候補のフランス、アルゼンチンを立て続けに手玉に取った。
終わってみれば、スペインの強さばかりが際立った、16年ぶり2度目の世界制覇である。
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