三笘薫を見ていると思い出す 飄々と、淡々と客席を熱狂させた往年の名アタッカーベスト10 (3ページ目)
【戦術眼の高いウインガーだったオーフェルマルス】
第4位/マルク・オーフェルマルス(オランダ代表)
ニリスがロナウドとPSVで2トップを組んだそのシーズン、欧州一に輝いたアヤックスで左ウイングを張っていた選手がオーフェルマルス。アヤックスでは中盤ダイヤモンド型3-4-3の左ウイングでプレーしたが、フース・ヒディンク率いる時のオランダ代表では4-2-3-1の3の左でプレーした。ヒディンクは「4-2-3-1」という4列表記を初めて口にした監督で、その流行の源として知られる。そのヒディンクはオーフェルマルスを4-2-3-1の3の左に置いた理由について筆者にこう語っている。
「4-3-3の両ウイングをより中盤化させたかったためで、彼にはそのセンスがあった」
ウインガーではあるが中盤的。三笘もまさにこのタイプだ。ゴールまでのルートを見出すかのようなプレーをする。「いつも中盤のプレーを脇のサイドから見ているので、その役割はわかっている。やれと言われればできると思う」とは、オーフェルマルス本人の弁だった。いかにも頭のよさそうな、戦術眼の高いウインガーだった。
第3位/マルコ・ファン・バステン(オランダ代表)
世界最高のストライカーと呼ぶに相応しいその代表的なゴールは、1988年、欧州選手権決勝、ソビエト連邦戦のボレーシュートになる。左からのアーノルド・ミューレンの高々としたセンタリングを逆サイドで待ち受け、右足のボレーで射止めた伝説のゴールだ。その右足のキックは7割程度の力だった。パワーでもぎ取ったゴールではない。キック技術の正確さで奪ったビューティフルゴール。そこに三笘的な匂いを感じる。スピードではなく技術優先。ワンプレー、ワンプレーに技巧が含まれている点に共通の魅力を覚える。
3 / 4