南野拓実は欧州サッカーシーンでタフに生き抜く 本領発揮は「ゴール前」 (3ページ目)
【中央のゴールに近い場所で輝く】
南野は、次の2022-23シーズンにモナコへ移籍。最初のシーズンはリーグ18戦でわずか1ゴールと振るわず、「最悪の補強」と酷評される。ところが2シーズン目は30試合9ゴール。リーグのベストイレブンに選出される大活躍を見せる。本人のコンディションの問題もあったかもしれないが、基本的に使い方を間違ってはいけない選手なのだと思う。
レヴィー・クルピが看破していたように、南野は「中央のゴールに近い場所」で最も輝く。精力的に攻守に貢献するサイドアタッカーと誤認してはいけないのだ。
モナコではサイドハーフとしても起用されているが、攻撃では常に中央に移動する。これはザルツブルク時代と同じだ。その時の監督だったアディ・ヒュッターが現在のモナコの指揮官なので、南野の使い方は心得ている。
バルセロナ戦は、4-2-3-1システムのトップ下だった。
トップ下といってもゲームを作るタイプではない。1トップのブレール・エンボロと並ぶように最前線に出ている。崩しは右のアクリウシェと左のエリース・ベン・セギルに任せ、得点に直結するプレーができる場所にいた。
いくつかの決定的なパスを出し、自らもシュートを放っていたが、この試合での得点、アシストはない。ただ、クロスボールが入って来る状況では必ずエンボロとともにゴール前にいる。
バルセロナの高いディフェンスラインの間で、半身になってボールを要求し続けてもいた。モナコは10人のバルセロナに対してそれなりに攻め込んでいたが、そのわりには南野がボールに触った回数は多くない。これをどう評価するかだろう。
3 / 4