若手の「ドイツBチーム」でも強い、レーヴ監督の戦略的な代表づくり (5ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 コンフェデ杯のゴールシーンから一例を挙げるならば、カメルーン戦の3点目がそうだ。右サイドでボールを持ったDFベンヤミン・ヘンリヒス(レバークーゼン)はブラントに縦パスを出した瞬間、ペナルティエリアの右側のスペースに走り込み、進路を斜めにしながら猛ダッシュを仕掛けた。ここのゾーンをヘンリヒスがえぐった瞬間、勝負あったと言えるだろう。あとは、鋭角の折り返しを受けたヴェルナーが丁寧にシュートを撃つだけだった。

 このカメルーン戦の勝利で、レーヴ監督は代表就任100勝を達成した。2014年のワールドカップで世界の頂点に立ち、2006年から代表を率いた試合数は150にものぼる。いくらサッカー大国のドイツといえども、調子が下り坂に向かったり、マンネリムードがチームに蔓延してもおかしくはないだろう。だからこそ、この6月の5試合で3勝2分という好成績を残し、レーヴ監督がBチームという実験的なチームで100勝目を飾ったことを、私は心の底からリスペクトするのだ。

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