内田篤人、2年ぶり90分間出場。「1日たっても痛くないのが嬉しい」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 千葉格/アフロ●写真 photo by Chiba Itaru/AFLO

 シャルケにもブンデスリーガで内田を試す余裕はなかった。マルクス・ヴァインツィール監督が別の機会に「ELとリーグ戦は別モノ」と話している。その後は出場機会がないのはもちろん、練習にフルに参加することなく年をまたいだ。勝負のかかった実戦で使うにはまだまだの状態だった。

 次の一歩は、1月上旬にベニドルム(スペイン)で行なわれたキャンプだった。内田にとってここでの大きな収穫は「みんなと同じメニューを全部こなせたこと」。ようやく普通の負荷を連日体感できるレベルになったわけだ。

 最終日の1日前に行なわれた練習試合では3-4-3の右MFで後半の45分間プレー。出場するやいなや、絶好のポジショニングでゴール前に入り込み得点をアシストした。指揮官の目には鮮やかに焼きついたのだろう。「内田には今後、少しずつプレーしていってほしい」と語っている。

 だがこの練習試合の時には、キャンプでの練習のリバウンドの症状が出ていた。長らく痛めた右膝をかばうことで、左の内転筋に違和感を覚えた。この日は「痛いけどやれる」と言ってプレーしたものの、翌週、ドイツ国内で行なわれた練習試合にはメンバー入りしながら自ら回避。「長引くものではないから」としていたが、内転筋が回復してからも、一時期は背中を、最終的には右腿裏も痛めた。

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