C・ロナウド不発でまたドローのポルトガル。得点力不足より心配な弱点 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 Sugiyama Shigeki 赤木真二●写真 Akagi Shinji

 ドイツをヘタにした分だけ、真面目さをさらに加えたようなチーム。勤勉、忠実、真面目とは日本のサッカーの専売特許だが、彼らは狡猾な反則も辞さない図々しさ、ふてぶてしさも持ち合わせている。その、オーストリア式ゲルマン魂とも言うべき気質に、C・ロナウドが嫌悪感を抱いていたことは確かだった。気持ち悪ささえ覚えるイヤなムードから逃れたい。PKを蹴る前の彼の顔にはそう書かれているように見えた。

 オーストリアのマルセロ・コラー監督は後半20分の段階で、専守防衛に転じていた。1トップ下で、オーストリア唯一のインターナショナルプレーヤー、ダビド・アラバ(バイエルン・ミュンヘン)をベンチに引っ込めたのだ。ただでさえ泥臭いチームは、これを機にその濃度をいっそう高めることになった。

 だが、ポルトガルのボール支配率は結局59%に留まった。これがスペインなら65%はいきそうなものだが、それには理由がある。ボールを奪還するのに手間取ったからだ。

 ポルトガルのCB、リカルド・カルバーリョとぺぺは、言ってみれば歴戦の勇士だ。欧州サッカーを代表する顔だが、その守りはいささか不安定だった。それは最終ラインが深すぎたことと大きな関係がある。

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