宇賀神友弥はなぜ浦和の監督ではなくGMを目指すのか「自分は名将と言われる存在にはなれない」
引退インタビュー
宇賀神友弥(浦和レッズ)後編
◆宇賀神友弥・前編>>「あの時、見た夢は、ここに続いていたのかもしれない」
◆宇賀神友弥・中編>>「他人のプレーを心の底から喜んでいる自分がいた」
ホーム埼玉スタジアムで行なわれた引退セレモニーで、宇賀神友弥は、あらためて次のように今後の目標について語った。
「プロサッカー選手は引退しますが、あらためて、僕の夢は浦和レッズのゼネラルマネージャーになることです」
2021年に浦和レッズを去る時も、宇賀神はそう語っていた。
チームの強化を担うその職を目指そうとしたきっかけは、どこにあるのか。また、思い描くチーム像はあるのか。選手としてのキャリアを終えた宇賀神に、次のステップについて聞いた。
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アカデミーの選手たちに囲まれて満面の笑みを浮かべる宇賀神友弥 photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る── 現役引退会見では、忘れられない試合として、勝利すればホームでJ1リーグ優勝を決められた2014年11月22日のガンバ大阪戦を挙げていました。浦和レッズでのキャリアを振り返った時に思い起こすのは、やはり、うれしいことよりも悔しい記憶でしょうか?
「試合に出場していたからには、自分の力で(タイトルを)つかみ取る、またチームに(タイトルを)獲らせてあげられることができたので。確実にタイトルを獲らなければいけなかったシーズンが何度かあっただけに、そこだけは悔いが残っています」
── タイトルを逃した理由がわかっていたら改善していたと思いますが、あえてそこに共通した何かはありますか?
「共通している何か......。たしかにそこは、自分が今までとは異なる形で浦和レッズを強くしていく立場を目指していくのであれば、導き出さなければいけない答えだと思います。今季のJ1リーグで優勝したヴィッセル神戸が連覇を達成していることを考えると、おそらくタイトルを獲るためにも、共通した何かはあるはずだと思うので。
一度ですが、浦和レッズもJ1リーグで優勝(2006年)した経験はあるので、その時の選手たちにタイトルを獲れた理由を聞くことができれば、ヒントはわかるかもしれないですね」
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著者プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。