ミランか鹿島アントラーズか。24歳の現役ブラジル代表・レオナルドは日本を選んだ

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

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第16回レオナルド(2)

 レオナルドは選手時代、ひとつのチームで長くプレーしたことはない。一番長いのがサンパウロとミランだが、それでも4シーズンだ。だが、所属したすべてのチームから、まるでそのチームの旗印であったかのように愛され、リスペクトされている。

 それは彼の人となりによるところが大きい。レオナルドは常に額に汗を、持てる力すべてをそのチームにつぎ込みプレーした。フラメンゴでプレーを始めた1日目から引退する日まで、彼は自分を偉大な選手だと思ったことは一度もなかったという。

「たしかに自分のキャリアを見る限り、結果は出してこれた。しかし、これはいつもいいチームでプレーすることができたからだ。私のチームにはいつも優秀な選手がいっぱいいた。そのおかげで自分は勝つことができた。私はチームの一員にすぎなかった。自分より上の存在がいつもいる。このメンタリティーが私を助けたのだと思う」

 どのチームとも良好な関係にあり、どこにでもいつでも戻れるのが彼の誇りでもあった。実際、フラメンゴ、サンパウロ、ミランには選手として二度在籍しているし、ミランには監督とチーム幹部として、パリ・サンジェルマン(PSG)にはチーム幹部として復帰している。

鹿島アントラーズ、パリ・サンジェルマンを経てミランで4シーズンを過ごしたレオナルド photo by Yamazoe Toshio鹿島アントラーズ、パリ・サンジェルマンを経てミランで4シーズンを過ごしたレオナルド photo by Yamazoe Toshioこの記事に関連する写真を見る 1987年、レオナルドは17歳でフラメンゴのトップチームに入った。当時のフラメンゴにはそうそうたるメンバーが揃っていた。ジーコ、レアンドロ、ベベット、ジョルジーニョ、エジーニョ、歴史的にもフラメンゴが強かった時代で、レオナルドはデビューの年にブラジル全国リーグを制覇。最高のスタートをきった。

 ただし、多くのスター選手がひしめくチームで居場所を得るのはそう簡単なことではなかった。そのため彼はさまざまなポジションを転々とすることになる。両SB、CB、ボランチ、オフェンシブハーフ、はてはFWまで。だがこの時の経験がレオナルドをオールマイティなプレーヤーに育てたことも事実だ。

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