パリオリンピックで日本のCBコンビが世界でも通用することを証明 一気に大化けする可能性

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 わずか2、3年前、パリ世代はセンターバック(CB)の人材難が不安視される世代だった。

 不当な低評価、ではなかっただろう。実際、他のポジションに比べ、所属クラブで出場機会をつかんでいる選手は数少なく、当然、目立った活躍をする選手がいるはずもない。

 パリ五輪本番ではオーバーエイジ(OA)枠の活用が必須――。それが、この世代のCBに対する当たり前の評価だったのだ。

 早くから冨安健洋や板倉滉がOAの候補として名前が挙がっていたのも、そんな事情が影響していたはずである。

 しかし、U-23日本代表がパリ五輪での戦いを終えた今、その評価を改める時を迎えている。

 木村誠二と高井幸大のCBコンビは、それほどに優れたパフォーマンスを披露していた。

 守備の面でまだまだ緩さがあることは否定できないが、ロングボールに対しても簡単に高さ負けすることがなく、相手の前でボールを奪いにいく積極的な姿勢を保ち続けることができるのは魅力的だ。

 また、ふたりに共通するのは、攻撃面での能力の高さ。自らボールを持ち出しながら周囲の状況を見極め、前線に縦パスを"刺せる"技術と判断は特筆すべきものを持っている。

大化けの可能性を秘めている高井幸大 photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA大化けの可能性を秘めている高井幸大 photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAこの記事に関連する写真を見る ふたりはそろって、日本が優勝したU23アジアカップ(兼パリ五輪アジア最終予選)の時にも主戦CBとしてコンビを組み、出色の働きを見せていた。

 次はパリ五輪本番の舞台で、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか――。そんな期待を持ちつつも、同時に不安がなかったわけではないが、世界でも十分に通用するレベルにあることを証明してくれた。

 即A代表入りはともかく、少なくとも将来的なA代表入りを期待させるには十分なパフォーマンスだったと言えるだろう。

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