パリの舞台に立つサッカー五輪代表18人は誰になる? 識者3人が考えたOA枠、海外組の選考 (2ページ目)

【U-23で臨んだほうが日本サッカー界にとって有益】

杉山茂樹(スポーツライター)

この記事に関連する写真を見るFW:細谷真大(柏レイソル)、藤尾翔太、平河悠(以上FC町田ゼルビア)、斉藤光毅、三戸舜介(以上スパルタ・ロッテルダム) 
MF:鈴木唯人(ブレンビー)、荒木遼太郎、松木玖生(以上FC東京)、藤田譲瑠チマ、山本理仁(以上シント=トロイデン) 
DF:大畑歩夢(浦和レッズ)、木村誠二(サガン鳥栖)、西尾隆矢(セレッソ大阪)、高井幸大(川崎フロンターレ)、関根大輝(柏レイソル)、半田陸(ガンバ大阪) 
GK:小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)、野澤大志ブランドン(FC東京)

 オーバーエイジ(OA)は五輪でなにより結果が欲しければ使うべきだろう。その3人のレベルと本大会での結果は比例関係にある。希望する選手を招集できるかできないか。所属クラブがそれを許すか許さないかで結果が変わる。これ以上ファジーな競技も珍しい。真のU-23世界一決定戦ではない。何を意味する世界一決定戦なのか。五輪サッカーのメダルの重みは、ほかの競技に比べて軽いと言わざるを得ない。

「1968年メキシコ五輪以来のメダルを」と言いながら2012年(ロンドン五輪)、2021年(東京五輪)は4位に終わった。あと一歩のところで涙を飲んだが、残念がる気持ちはほどなくして薄れていく。出場するからには好結果を期待したいが、そのために多大なリスクを冒す必要はないと考える。

 OAの3枠をフルに使えば、U-23の選手の出場機会を同じ数だけ奪うことにもなる。諸刃の剣でもある。純粋なU-23日本代表で臨むことに全くためらいはないとは筆者の考えだ。そのほうが日本サッカー界にとって有益だと考えるからだが、こうした大きな方針を定めるのは協会の宮本恒靖会長であり、影山雅永技術委員長だ。それが筋である。この件についての責任を大岩剛監督に及ばせるべきではない。

 U-23に属する日本人選手ですでに欧州で一定の評価を得ている久保建英も、呼ぶ必要がないと考える。結果に大きな影響を与えそうな選手であることは確かだが、ほかの選手にプレー機会を与えるほうがアンダーカテゴリーの強化の、模範的な発想だと考える。

 先のU-23アジアカップには出場しなかった久保を除く欧州組は、所属チームが許せば招集すべきだろう。欧州で場数を踏んでいる経験値は、若いチームにとって不可欠だ。少なくとも今季、実績を残している鈴木唯人、三戸舜介、斉藤光毅の3人は招集したくなる。

 なかでも真ん中付近でボールを収める力を備えた、鈴木を有効に使いたい。攻めていながらスコアにつながらない。中央からの攻め手が少ない。これが大岩ジャパン最大の問題だとすれば、得点力も兼ね備えたこの選手は外せない存在になる。

 迷ったのはMF陣で、山本か川﨑颯太(京都サンガF.C.)か荒木かの選択だった。これまでの流れで行けば荒木の順番は低かったが、U-23アジアカップの流れを重視して加えてみた。山本と川崎の比較では左利きを優先した。FW陣では山田楓喜(東京ヴェルディ)のキック力も捨てがたい魅力に見えるが、縦への突破力を重視して藤尾、三戸、平河、斉藤を優先した。

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