森保サッカーを象徴する0-1の敗戦。選手選びの優先順位と攻撃の限界 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 岸本勉●撮影 photo by Kishimoto Tsutomu

 そういう意味で、左ウイングで先発した南野は例によって、何がしたいのかまったく伝わってこないプレーをした。左ウイングなのに、サイドアタッカーではない。その下で構える左SB中山に、ウインガーとしての資質があるわけでもない。なぜ左に森保監督はウインガーを置かないのか。ファーストチョイスが三笘ではなく南野なのか。

 南野を使うなら1トップという選択はないのか。1トップを務めたのは古橋だった。後半、代わって入ったのは前田。前戦のパラグアイ戦で先発したのも浅野である。1トップになぜスピード系ばかり配すのか。

「古橋、前田はボールを収める力もついている」とは試合後の森保監督のコメントだが、大迫や鎌田のボールを収める力を10とすれば、古橋、前田はせいぜい2か3だ。南野なら6、7はある。ここにボールが収まらないと、サンパイオコーチも認めていた日本のテクニックが攻撃面で機能する機会は激減する。

 ハッキリしているのは、森保監督に攻撃を強化する力が不足しているということだ。今回の0-1の敗戦は、森保サッカーを象徴した試合、限界を見た試合と言ってもいい。交代選手を含めて計6人が出場したFW陣をどうきれいに並べるか。その点ではパラグアイ戦のほうが数段よかったと筆者は見る。

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