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T−岡田の運命を変えた「おばちゃん」。
その出会いから虫捕り名人が強打者へ

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Sportiva

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あの時もキミはすごかった〜オリックス・T−岡田編

 まだ試合によって波はあるが、開幕からおもに1番を任され、チームトップの打点を挙げているT−岡田。6月24日のロッテ戦では今季1号となる3ランを放ち、同じく28日のロッテ戦でも3ランを放つなど、今年はやってくれそうな気配を漂わせている。

履正社時代、通算55本塁打を放ち「なにわのゴジラ」の異名をとったT−岡田履正社時代、通算55本塁打を放ち「なにわのゴジラ」の異名をとったT−岡田 そんな岡田の今シーズンへの期待感を大きく抱かせてくれたのが、阪神との練習試合で放った特大アーチだ。試合後、岡田はこんなコメントを残している。

「初めての感触でした。完璧すぎて......。逆に気持ち悪いぐらい。人生で一番の当たりでした」

 普段はシンプルなコメントの多い岡田が口にした「人生で一番の当たり」というフレーズに思い出す一本がある。

 履正社からドラフト1位でオリックスに入団し、しばらく一軍定着を目指し、もがいていた頃の岡田に密着していた時期があった。当時、さまざまな話をするなかでホームランの話題になり、「人生最高のホームラン」について聞いたこともあった。

 すると、岡田は「感触的には人生最高の当たりです。あれ以上の感触はまだ味わったことがないですね」と決まって返してくる一打がある。箕面スカイラークに所属していた中学時代、大淀ボーイズの若竹竜士(元阪神)から放った特大弾だ。この一発について、岡田はこんな風に語っていた。

「あのホームランはこの先も忘れないですね。中島球場というところのライトフェンスを越えて、奥にある阪神高速の壁に当たったんです。これまで打ったホームランのなかでも最高の当たりで......感触はいまも手に残っています」

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