村上、清宮、安田は本物のスラッガーか。門田博光がこだわりの大診断 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 清宮に限らず、今のバッターに思うことは、とにかくバットが軽い。操作性がいいということで使っているんでしょうけど、手打ちになってしまって、打球に勢いがない。僕らからしたら890グラムとか900グラムなんて箸みたいなもんやったけど、今はそれが主流になっている。

 小さい曲がりの変化球に対応するためやろうけど、それでも結果が出るから、手先で打つスイングが多くなる。重いバットを扱おうとしたら、しっかり腰から回さんと振れないからね。

 僕がオリックスに移籍した時(1989年)に1キロのバットを使っていたら、みんな興味を持って真似したんやけど、最後までついてきたのはブーマーだけ(笑)。ブーマーはしっかり腰を使ってスイングしていたけど、ほかの選手は、僕からすれば手打ちやった。

 今の選手に重いバットを使わせると、手首などケガの心配もあるやろうけど、もし清宮が重いバットを扱えるようになったら、腰の入ったスイングも身について、ワンランクもツーランクも上のバッターになると思うんやけどね。

 とはいえ、まだ20歳。僕なんかに比べたらはるかにええもん持ってるから、まずは体を万全にすること。今年は背中の柔らかいスイングをまた見たいね。

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