阪神ロサリオも当確。韓国経由の助っ人が優良なわけを名コーチが説く (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ひとつは重心のかけ方だ。重心を軸足の方に残す"ステイバック"というスタイルでスイングできているかどうかが重要になる。外国人選手の中には、投手寄りの方に突っ込んで打つタイプがいるのだが、その打ち方では日本人投手の変化球に対応できない。日本でやろうと思ったら、このステイバックの打ち方をマスターしないと厳しいだろう。

 その点、日本に来る前に韓国を経由してきた打者はこのポイントをクリアしている場合が多い。それは投手の配球が多分に影響している。

 私がSKワイバーンズのコーチをしていた頃(20082009年)は、たとえばカウント3-2からは8割方がストレートだったが、近年は変化球が多くなっていると聞く。ピッチング自体も、かつての韓国の投手は力勝負で挑んでくるイメージがあったが、今は変化球で勝負するスタイルが主流だ。

 変化球に対応するためには、ボールの見極めが大事なる。ボールを長く見るためにすべきことは、目一杯引きつけることだ。それを意識すれば、自ずとステイバックの打ち方になるのだ。韓国でプレー経験のある選手はこの打ち方をマスターしていることが多く、おそらくロサリオもこの点に関しては心配ないだろう。

 次にインコースへの対応だ。言うまでもなく、外国人選手はホームランを期待される。こうしたスラッガーを相手にしたとき、日本ではまず内角攻めがあいさつ代わりとなる。当然のことながら、少しでも苦手とわかると徹底してそこを攻められる。

 このとき最も大事なことは、どれだけインコースの球を見極め、我慢できるかだ。ボール球を見逃すのはもちろん、ストライクの球でも打てないと判断したときにバットを止められるかどうか。苦手なインコースは捨て、得意であるアウトコースの球を待つことができれば、必ずいい結果を残せるようになる。

 ただ、これは簡単なことではない。インコースを攻められることに苛立ち、悪球に手を出したり、強引に打ちにいってスイングを狂わせてしまったりする外国人選手をこれまで何人も見てきた。

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