「カープ爺や」安仁屋宗八OB会長が語る、広島リーグ優勝の喜び (3ページ目)

──今季は投手陣の大黒柱だったマエケンがいなくなり、大瀬良大地投手もキャンプ中に離脱する苦しい状況に見えましたが。

「僕はキャンプが始まる前から、マエケンの代わりは必ず出てくるよとテレビ・ラジオで言っていたんです。なんでかというと、プロ野球に入ってくる選手というのは、みんなドラフトで選ばれたわけじゃないですか。みんな力があるんです。だからプロとして入ってくるわけで、１人抜けたら自分がチャンスをもらったと思って自然と前向きになる。今年のキャンプでは"ゆうゆうコンビ"といって、福井優也と野村祐輔、あの２人にみんなの前で"おまえら２人でチームを引っ張っていってくれ！"と言ったんです。

　年の差なんて関係ないんですよ。黒田、新井がチームに入ってきて、去年はその後ろ姿をちょっと見るだけで精一杯だったのかもしれない。でも、今年は若いカープナインに少し余裕が生まれたのかなぁ。黒田、新井が努力してる姿をほかの選手がさまざまな角度で分析して、自分のものにしている感じがする。だから少しはあの２人に近づけたんだと思います」

──あらためて黒田、新井両選手についてはどのように見ていますか。

「優勝になくてはならない存在です......って、それだけじゃいくらなんでも簡単すぎちゃうね（笑）。ならば、黒田はしゃべるより、黙々と背中で人生を語っている存在かな。俺についてこいよと。

　でもって、新井は常に若手に対し"今の満員のマツダスタジアムを当たり前と思うな"とハッパをかけている。市民球場での苦労を知っているからこその激励でもあるね。本当にOB会長として、あの２人には頭が下がります」