WBCは「出ようと決めていた」。青木宣親が世界一へチームを引っ張る (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

 イチローがチームメイトから絶大な信頼を得ていた理由は、その献身さにあった。大会前の宮崎キャンプから積極的にほかの選手に声をかけ、日本国内組とメジャー組、若手とベテランの壁を取り払った。本戦が始まって自身の調子が上がらなくても、先頭に立って勝利に向かう姿勢を見せ続けることで、チームに一体感をもたらしたのだ。

 第4回WBCに向けて選出されたメンバーの中で最年長の青木は、「自分がそういう役割が期待されているのは分かっている」と前置きした上でこう続けた。

「今の時点では、具体的に『こういうアドバイスをしよう』とは考えていません。もちろんコミュニケーションはとりますし、過去2回のWBCやメジャーで得た経験から伝えられることもあります。でも、各球団の顔となっている選手相手に、合流前の先入観でアドバイスを考えても意味はない。全体練習や本戦が始まってから、その選手が何かにつまずいて『何が必要か』に悩んだ時に、声をかけるのが最も有効だと思っています」

1球ずつ感覚を確かめながらバットを振る青木1球ずつ感覚を確かめながらバットを振る青木 この考え方は、今年でメジャー6年目を迎える青木ならではだ。今オフに移籍が決まったアストロズを含めて5球団を渡り歩き、毎年のようにチームメイトの顔ぶれは変わったが、「事前に選手の情報を入れなくても、信頼関係を築くことに時間はかからない。そのへんのコミュニケーションには慣れました」と自信を持って語る。

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