こんなに違う日米のドラフト制度。日本は狭き門でも入ればチャンス
2016年のプロ野球ドラフト会議では、育成選手を含め、投手74人、野手41人の計115人が指名を受けた。選手の内訳は、社会人27人、大学生40人、専門学校生2人、高校生46人。そのうち、翌年3月までに球団と契約した選手たちが、1軍を目指す戦いに身を置くことになる。
創価大の田中正義は5球団による競合に。MLBのドラフト会議では見られない光景だ 一方、6月上旬に3日間にわたって行なわれたメジャーリーグ(MLB)のドラフト会議では、30球団合わせて1215人もの選手が指名された。人数をはじめ、日本プロ野球(NPB)とメジャーリーグのドラフトには、契約金や指名選手の進んでいく道に大きな違いがある。
指名される選手の人数はNPBが圧倒的に少ない
NPBのドラフトでは、12の各球団が原則として4~10人まで選手を指名できる。ドラフト会議終了時点で合計120人の指名に達していない場合、引き続き球団の希望により育成選手選択会議が行なわれ、育成選手が指名される。
これに対し、MLBでは毎年30球団が40巡目まで指名し、1200人以上の選手がドラフトにかかる。NPBが1軍と2軍、球団によっては3軍編成で70人の選手保有枠があるのに対し、MLBでは傘下のマイナーリーグが8段階に分かれており、メジャー選手を含めると約290人が各球団に所属しているため、それだけの選手を指名しても受け皿があるのだ。
NPBのドラフトの特徴は、1位指名に関して複数球団が同じ選手を選択することが可能で、競合となった場合は抽選になるということ。一方のMLBは、完全なウェーバー方式を採用しており、すべての指名巡目において、前シーズン終了時の最下位チームから順に選手を指名していくシステムになっている。指名をした時点でその選手との独占交渉権を獲得できるため、NPBのような競合は起きない。
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