68年ぶりインディアンスか、108年ぶりカブスか。歴史的戦い始まる

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

【MLBポストシーズン2016】ワールドシリーズ展望

 10月25日(日本時間10月26日)、オハイオ州クリーブランドのプログレッシブ・フィールドにて、「第112回ワールドシリーズ」が幕を開けます。今年のカードは、「クリーブランド・インディアンスvs.シカゴ・カブス」。インディアンスは1948年以来、対するカブスは1908年以来、ともに長きにわたってワールドチャンピオンから遠ざかっています。世界一になっていない年数は、30球団のなかでインディアンスが2位、そしてカブスは1位。つまり、どちらが勝っても歴史的な出来事になるのは間違いありません。

ポストシーズンで大ブレイクしたカブスのハビアー・バエズポストシーズンで大ブレイクしたカブスのハビアー・バエズ 両チームのリーグチャンピオンシップシリーズを振り返ると、インディアンスはア・リーグ屈指の破壊力を誇るトロント・ブルージェイズ打線を完璧に封じました。リーグ3位の本塁打数を記録したスラッガー揃いのクリーンナップを相手に、シリーズ5試合でわずか8失点。防御率1.43という抜群のピッチングを披露し、4勝1敗でワールドシリーズに駒を進めました。

 このシリーズでもっとも活躍したのは、ピンチをことごとく切り抜けたリリーフ投手たちです。従来なら、先発投手のほうが長いイニング数を投げますが、このシリーズでリリーフ陣は先発陣と同じイニング数(22イニング)を投げました。過去に4勝1敗で勝ったチームにおいて、リリーフ陣の計22イニングという投球回数は歴代最多。いかにリリーフ陣が頼りになる存在だったかを示す証でしょう。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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