高校通算44本塁打の両打ちスラッガー、中日・根尾の元チームメイト...2022年のドラフト戦線を賑わす12人 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

立教大の大型右腕・荘司康誠立教大の大型右腕・荘司康誠この記事に関連する写真を見る 大穴のドラフト1位候補として名前を挙げたいのは荘司康誠(立教大)だ。3年秋まで東京六大学リーグ通算0勝と実績は乏しいものの、モノのよさは大学屈指。身長188センチ、体重90キロの大型右腕で、最速151キロの快速球に高速帯で横滑りするスライダーが光る。今秋のリーグ戦は好投しながらも、勝ち星に恵まれない試合が目立った。今後は完投できるだけの精度とベンチからの信頼を勝ち取れれば、自然とスカウト陣の評価も急騰するはずだ。

 大学生野手は楽しみな逸材がひしめく。とくに需要の高い右打者は山田健太(立教大)森下翔太(中央大)が双璧になりそうだ。

 山田は大阪桐蔭高で根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)と同期で甲子園春夏連覇を経験。立教大では3年秋まで通算62安打、7本塁打、打率.301を記録している。ツボにはまれば一発長打があるだけでなく、2ストライクに追い込まれたあとのコンタクト能力も高く、簡単にアウトにならない。二塁守備が徐々に向上している点も、高評価につながりそうだ。

 森下は大学1年時から大学日本代表に選ばれるなど注目されたが、2年以降はやや足踏みが続く。走攻守にエンジンの大きさを感じる外野手で、能力的には大学球界の顔になってもらわなくては困る。大学の偉大な先輩・牧秀悟(DeNA)に続く右打者として、来季は一皮剥けてほしい。

 左打ちの強打者なら蛭間拓哉(早稲田大)が筆頭格。インパクトの爆発力があり、打球音がひとりだけ違う。2年秋の早慶戦で放った逆転2ラン本塁打は、今後も語り継がれるであろう伝説的な一打だった。東京六大学リーグ通算10本塁打をマークしており、低く鋭い軌道のスローイングも隠れた武器だ。

【都市対抗の好投で評価急上昇】

 社会人では高卒2年目にして社会人ベストナインを受賞した河野佳(大阪ガス)が頭ひとつ抜けた存在だ。20歳とは思えない落ち着いたマウンドさばきで、コントロール、1球ごとの精度ともプロ即戦力に近い。長所をキープしつつもう一段スケールアップできれば、ドラフト1位指名は堅いだろう。

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