戦力ダウン必至のJクラブ「ワースト3」。主力選手が流出した移籍状況から推察
このオフも数多くの選手がチームを動いたJリーグ。それによって、効果的な戦力補強がなされたチームもあれば、かなりの痛手を被ったチームもある。ここでは後者、移籍状況だけで判断すると、今季は厳しい戦いが予想されるチームの「ワースト3」を識者3名に挙げてもらった――。
坂元達裕が海外へ移籍するなど、戦力ダウンした印象が強いセレッソ大阪この記事に関連する写真を見る主力選手の海外流出が相次ぐJリーグ
そのあおりをもろに受けたC大阪
浅田真樹氏(スポーツライター)
1位=セレッソ大阪
ヨーロッパ移籍の間口が広がった現在、20代前半の若手を中心に、各クラブの主力選手の海外流出が相次いでいるJリーグだが、そのあおりをもろに受けたのがセレッソ大阪だろう。
もはやチームのエースと呼ぶべき存在となったMF坂元達裕(→オーステンデ)、そして21歳ながらDFラインの要であった瀬古歩夢(→グラスホッパー)と、日本代表クラスの大黒柱を2本まとめて失ったのはかなりの痛手だ。
その他にも、FW豊川雄太(→京都サンガ)、MF藤田直之(→サガン鳥栖)といった準主力級がクラブを離れた一方で、実績のある選手の移籍加入は少ない。大久保嘉人の引退も手伝って、大きく戦力ダウンした印象が強くなる。
2位=サガン鳥栖
クラブの財政問題などもあり、昨季開幕前の戦力評価は高くなかったにもかかわらず、一時は上位争いにも加わるなどして、最終順位は7位と健闘。自前のアカデミー出身者やJ2クラブからの個人昇格組を生かした、名より実の強化が実った成果だろう。
だが、その結果としてMF仙頭啓矢(→名古屋グランパス)、MF小屋松知哉(→柏レイソル)の他、アカデミー出身のMF樋口雄太(→鹿島アントラーズ)、DF大畑歩夢(→浦和レッズ)、あるいは個人昇格組のFW山下敬大(→FC東京)、MF酒井宣福(→名古屋)といったレギュラークラスが、昨季の活躍をステップにまとめてクラブを離れてしまった。
加えて、シーズン開幕が近づいたところで、最終ラインの要であるエドゥアルド(→横浜F・マリノス)まで引き抜かれてしまっては、戦力ダウンは避けようがない。それなりに補強も施されているとはいえ、現時点での移籍収支は大幅マイナスと言わざるを得ない。
3位=柏レイソル
攻守の要だったFWクリスティアーノ(→V・ファーレン長崎)、MFヒシャルジソン(→セアラー)のブラジル人コンビをはじめ、FW神谷優太(→清水エスパルス)、FW瀬川祐輔(→湘南ベルマーレ)、MF仲間隼斗(→鹿島)ら、貴重な働きをしてきた主力級の選手がごっそり抜けてしまった。
もちろん、それ自体が大きな戦力ダウンであることは間違いないが、オルンガ、江坂任と大黒柱の移籍が相次いだのに続いて、これだけの数の主力が一気に流出してしまうのは気になるところ。どうしても"事業規模縮小"を図っている、ネガティブな印象が強くなる。
現実的な戦力値がどれだけ下がるかということよりも、クラブ全体の士気が低下してしまうのではないかと心配になる。
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