2014.08.04

【自転車】片山右京「レースに欠かせないマッサーという存在」

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第16回】

 ツール・ド・フランスのような数週間に渡る長丁場のレースで、連日200キロ近くを走行する選手の疲労度は相当なものだ。蓄積した疲れをいかに取り除くかが、レースを勝つ上で重要なカギとなっているのは間違いないだろう。その大事な役割を担っているのが、「マッサー」という存在だ。3年後のツール参戦を目指しているTeamUKYOのマッサーに話を聞いた。

(前回のコラムはこちら)

レース中は選手にドリンクを渡す仕事もこなすマッサーの森川健一郎(左) あらゆるプロフェッショナルスポーツには、その競技独特の裏方的役割がある。自転車ロードレースの場合は、『マッサー(masseur/フランス語源で「マッサージャー」の意味)』と呼ばれる仕事がそれに相当するだろうか。

 選手の脚力が勝負のキモとなる競技である以上、長いシーズンを戦い抜くためには、レース後の疲労を残さないことがなにより重要だ。特に、何日間も競技が続くステージレースでは、「その日の疲労を次の日に残さないこと」が勝負を大きく左右する。グランツールを戦うプロツアーチームプロコンチネンタルチームは、複数のマッサーを用意し、選手たちのケアにあたっている。

 片山右京率いるTeamUKYOで、この仕事を担当しているのが、森川健一郎だ。

 森川がTeamUKYOに加わったのは、昨年9月。当初は、「主にUCIレースで選手たちのケアを担当する」ということで加わったが、年間シリーズ戦のJプロツアーにも帯同しており、TeamUKYOが参戦するほぼすべてのレースで、森川は選手たちのフィジカルコンディションをケアしている。また、マッサージだけではなく、長時間のレース中に選手が摂取する補給食の準備や、合宿所でのレース準備、さらにクルマの運転なども行なうため、実際のところはチームの裏方仕事を幅広く引き受けていることになる。

 現在45歳の森川がこの職業を目指したのは、すでに社会人として仕事をしていた26歳のころだった。