円盤投げ、BMX、社会人からガールズケイリンへ 卒業記念レースで輝いた期待の女子選手たち (2ページ目)
安定した強さを見せた岩元杏奈 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る
岩元杏奈が卒記クイーンに
女子の卒業記念レースでは、在所成績3位の岩元杏奈が優勝を飾った。決勝では自身が立てたプランどおりの展開となり、3番手につけて最終周回に入ると、第4コーナーからホームストレッチにかけて一気に踏み込んで1着でフィニッシュ。岩元はしてやったりの勝利に、「とてもうれしいです」とはにかんだ。
岩元は小学生時代にトライアスロンに励み、自転車競技を本格的に始めたのは高校から。2年時にはジュニアアジアチームスプリント銀メダルに貢献するなど頭角を表わし始める。進学した日本体育大学でも自転車競技を続け、トップクラスの成績を上げていたが、「大学で自転車競技を引退しようと考えていた」という。
予定どおり選手としての区切りをつけ、地元・宮崎県スポーツ協会で2027年に開催される国スポ・障スポに関わる仕事に従事した。しかし物足りなさを感じていた。
「高校・大学と明確な目標を持ったなかで生きてきましたが、それがなくなってしまいました。目標もなく何事も中途半端な生活を送っていて、このままだと自分らしくないと思いました」
デスクワークも苦手だった岩元は、周囲からの勧めもあって自転車競技への復帰を決意。ガールズケイリンの選手になるべく、養成所の試験を受けた。入所後は10年間培ってきた自転車競技での実力をいかんなく発揮し、競走訓練69レース中、1着が37回と5割以上の勝率を記録した。
目標とする選手は加瀬加奈子(新潟・102期)。「力強い先行で風を切って走る姿がかっこいい」とあこがれるが、一方で自身の得意戦法が「自在」ということもあり、「(ガールズグランプリ2024覇者の)石井寛子さん(東京・104期)のようにオールラウンダーになりたい」とも語る。
148.4cmと競輪選手としては小柄な部類に入るが、「体は小さいが大きな走りを見せたい」と胸を張る。強みは「後半に伸び」。卒業記念レースのような追い込みが決まれば、大きな花を咲かせてくれるのではないだろうか。
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