見延和靖が自ら香りを開発。「試合に向けたピーキングではとても重要」
セントマティック社のチーフ・スポーツ・オフィサーに就任した見延和靖 この夏、世界最大のスポーツの祭典で、フェンシングのエペ団体で金メダルを獲得した見延和靖。目にも止まらぬ速さの剣を見極め、一瞬で勝負を決めるフェンシングは、高い集中力と並外れた反射神経が必要になる。それを試合でキープし続けるためには、日常生活から試合に向けた準備がとても重要だ。
見延にとって、試合にピークを持っていくために欠かせないのが"香り"。2021年春頃から、香りを言語化する AI ツール『KAORIUM』(カオリウム)を開発した、セントマティック社のチーフ・スポーツ・オフィサーに就任し、香りによるアスリートのパフォーマンスの向上に関するプロジェクトに取り組んできた。自らオリジナルアロマブレンドを開発したという見延に、香りとの関わり、開発の意図について話を聞いた。
――そもそも香りを意識したのはいつ頃なのでしょうか。
小学生の頃だと思います。当時から香りが気になっていて、キンモクセイの香りが好きでした。キンモクセイの香りが部屋にあったらいいなと思って、木の枝を持ってきたことがあるんですが、枝1本くらいだと香りはしなかったですね。だからキンモクセイの芳香剤を買ってもらったりしていましたし、ヒノキの芳香剤も買ってもらいました。でも作られた香りは本物とは違っていたので、違和感があるなと思っていました。
――今回のプロジェクトに参画する以前に、香りと競技の関わりについてどのように考えていましたか。
アスリートの仕事で一番大切なのは、試合に向けたピーキングづくりだと思っています。そのためにはオン・オフのつけ方がポイントで、そこで香りを利用するのはとてもいいなと思っていました。だから以前から香りの重要性についてはすごく感じていましたね。
――セントマティック社とのプロジェクト「KAORIUMオリジナルアロマブレンド共同開発」に参画しましたが、お話があった時にはどう感じましたか。
よくぞやってくださいました、という感覚でした。香りにはすごくこだわりを持っていましたし、遠征に行くときには、常にルームスプレーなどを持参して、できるだけ自宅と同じ環境、リラックスできる環境を構築できるようにしていました。
でもなかなかしっくりくる香り、満足する香りに出会うことができなかったんです。それをセントマティック社さんから提案があって、『KAORIUM』で自分に合う香りを作れるということで、すごくマッチしました。この話をいただき感謝の気持ちでいっぱいですね。
――開発した香りを言葉で表すとしたら、どんな言葉になりますか。
今回開発した香りのキーワードは、「和」ですね。僕は日本のものを愛していますから、どこかに日本の香り、和のテイストを入れたかったんです。それにプラスして優雅、華やかさも入れたいという思いがあって、セントマティック社さんと話をしていくなかで出てきた言葉が「雅やか」な香りです。
「雅やか」は、自分が伝えたかった香りの表現と近いかなと思います。ただ花のフレッシュな香りだけじゃなくて、一歩引いた香りというか、そういう香りができたなと思っています。
――香りを使ったことでの周りの反応について教えてください。
合宿や大会の宿泊部屋でも使ったんですが、部屋に入ってきた選手が「すごくいい香りですね」と言ってくれました。僕も今回開発した香りには、とても満足していますし、その効果もすごく実感しています。
まだ香りを意識的に取り入れている選手は少ないと思いますので、ぜひ他の選手にも取り入れてほしいですね。そして、言語化しにくい香り、感覚的にいいなと感じていた香りが具現化される『KAORIUM』というものを知ってもらえたらいいなと思いますね。