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17歳・大橋信、大会直前に39度発熱も世界新の裏側 指導者は「ちょっと普通の選手ではない」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Toshimi Oriyama

【「100mを6本」泳いだことがプラスに】

 だが、このアジア大会本番までの道のりは決して順調ではなかった。大会直前に発熱していたのだ。太田コーチがこう振り返る。

「9月16日の夜に熱が出て、最高は39度まで上がったのですが、その日のうちに数時間で熱が下がって。17日はもともと完全オフの日に充てていたので、18日から泳ぎだしましたけど、もう最後の調整なのでかなり抑えてやらせました。不安もかなりあったと思いますが、それを自分で打ち消すような言葉も出ていたので。『大丈夫だ、大丈夫だ』と自分に言い聞かせようとしている感じがすごくあったので、そのへんはすごく頼もしいなと感じました」

 200mよりも先に行なわれた100ⅿでは、アジア記録保持者の覃に先着しながらも、自己記録に届かない58秒64で董志豪(中国)と同着優勝。レース後には結果に納得できないといった表情も見せていた。

「体調不良の影響が、体ではなく心にきてしまった。気持ちが乗らなかった部分があると思います。本当にいい練習が積めていたので、体調不良がなければ57秒台も見えていたのかなと思います」と振り返り、覃に勝ったことについても「100mのほうが200mに比べて気持ちも楽だし、覃選手の調子が全然上がってないので、うれしいけど実感はないです。全盛期の彼とやってみたかったなと思います」と冷静に話した。

 そして自分の泳ぎについて、「テンポを上げすぎてもそこまでスピードは上がらないので、今は200m向きの泳ぎをしているのかなと思います」と分析していた。

 大橋はその翌日に男子4×100mメドレーリレー、さらに翌々日に混合4×100mメドレーリレーの予選と決勝に出場し、3日間で100mを合計6本泳いだが、結果的にそれが200mにプラスの影響をもたらした。

「僕はレースを重ねるたびに泳ぎがどんどんよくなっていく選手だと、自分でも思っているし、(指導をしていただいている)先生たちからもそう言われています。6本泳いで少し100m寄りの泳ぎになってしまったけど、逆にスピードが出た。200mの練習しかしていなくてスピードがあまり出ていなかったので、そこがうまくハマったかなと思います」

 200m決勝、前半の100mを世界記録ペースの59秒台で入ったのは3月の日本選手権と同様だったが、内容はまったく違った。最初の50mは、日本選手権が22ストロークで27秒95。対して今大会は18ストロークで28秒27と落ち着いた入りで、そこから徐々に上げて100m通過は59秒89。2位に1秒44もの差をつけた。

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