箱根駅伝で駒澤大の課題は「中間層の活躍」 駒大スポーツ新聞・大学生記者が独自取材をもとに分析 (2ページ目)
【求められる「中間層」の活躍】
次に「中間層の充実」が課題として挙げられる。
「今年度のチーム目標として2年連続3冠を掲げるなかで、篠原(倖太朗/3年)や(鈴木)芽吹さん(4年)、(佐藤)圭汰(2年)などのエース級の選手を除いた時に、自分たちその他の選手の弱さというのが出た。本当は勝たなくてはいけないレースだったのに不甲斐ない結果になった」
これは11月19日に開催された上尾シティハーフマラソンで8位入賞、チーム2番手に入った庭瀬俊輝(3年)がレース後に語ったコメントだ。タイムとしては自己ベスト。それでも他大学のエース級の選手に勝ちきれず、自分を含めた中間層の弱さを省みた。
駒大を支える3人のエース 撮影/梅川岳飛(コマスポ)この記事に関連する写真を見る 駒澤大には鈴木、篠原、佐藤の3人のエースがいる。3人の力を強固なものにしたのは、11月25日に行なわれた八王子ロングディスタンス10000mだ。
最もいい記録だったのは佐藤。高校時代からこれまで1500〜5000mの比較的短い距離を主戦場にしてきた佐藤にとって、初めての10000mだった。私は、「長い距離への対応力はどうなのだろうか」という視点で中継を見ていたのだが、対応力どころの話ではなかった。佐藤は27分28秒50でU20のアジア記録を更新し、日本学生歴代2位のタイム。末恐ろしい。
佐藤はレース後も余裕の表情で「最初からペースメーカーについて行き、終始余裕を持ってレースを進める。ラスト2000mからペースをあげるプランだった。プランどおりに走れた。タイムも目標の27分35秒より速いタイムを出すことができてよかった」と振り返った。
鈴木は27分30秒69、篠原も27分38秒66と自己ベストを更新。本人たちは悔しさをのぞかせたが、学生であれば28分を切ること自体、なかなか難しいとされるなかで圧倒的な強さだった。
ただ3人の力だけでは箱根は勝つことはできない。20km以上を走れる選手を10人そろえなくてはならないのだ。
エースを支える駅伝巧者も駒澤大には多く存在する。パッと名前が挙がるのは、4年生の赤星雄斗、花尾恭輔、安原太陽。2年生の伊藤蒼唯、山川拓馬あたりだろうか。
今のチームはとくに4年生が強い。11人中9人が三大駅伝の出走経験を持つ。対して3年生は1人、2年生は3人、1年生は0人と、まだまだ経験値に欠ける部分がある。
12月11日に発表されたチームエントリーでは16人中7人が4年生とチーム最多。一方で1年生は1人と他大学に比べても少なかった。
来年度以降を考えると、最近調子を上げている庭瀬や小山翔也(1年)ら中間層を担っている新しい戦力の活躍も求められる。
このような選手たちが他大学のエース級の選手たちと渡り合う勝負ができたら、駒澤大は優勝にぐっと近づくのだ。
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