「休日はおしゃれしてお出かけしてます!」13歳・上薗恋奈が意識するオンとオフ...来季はトリプルアクセルに挑む
スケートリンクに立っている時、上薗恋奈(13歳/LYSフィギュアスケートクラブ)は表現者として堂々とプログラムの主人公になりきる。
そして、大人の女性だと錯覚するような雰囲気を漂わせる。一方でリンクを降りると、年相応、中学2年生のあどけない少女である。ミルクティー味のタピオカが好物で、アニメ『クレヨンしんちゃん』を観て心が癒され、グッズを集めるのも好きだ。
インタビューでは、どこか緊張したように言葉を探すしゃべり方になった。しかし、写真撮影では、立ち姿も表情もモデルや女優のように自然体だった。
愛知・モリコロパーク アイススケート場での練習前にインタビューに応じた上薗恋奈この記事に関連する写真を見る
スケート靴を持っても、座りながら微笑んでも、もちろんリンクでただたたずむだけでも様(さま)になる。言葉よりも行動や所作で、自分の魅力を伝えられる。その点で、彼女には天稟(てんぴん)があるのだろう。
現時点で、そのギャップが上薗の魅力と言える。
【意識しているオンとオフ】
ーーリンクに立っている時は大人の雰囲気さえも感じさせますが、普段は年相応で、そのギャップが表現者としての魅力とも言われます。自分でスイッチを入れているのですか?
上薗恋奈(以下同) フィギュアスケートって、やっぱり表現のところが大事だと思うので、オンとオフの切り替えは心がけています。氷の上は、自分のプログラムを演じるという場所なので、そこは最初に先生方につくってもらった時に、どういう感じで表現するのか、演じるのかを教えていただいているので、それをできるようにしています。
ーーいつ、スイッチを入れているのですか?
試合では、ウォーミングアップでトレーナーさんにオンの状態に持っていってもらっている部分はあるかなって思います。しなやかな体をつくって、でもキレも出したいっていうところで、激しく動いたあとはしなやかにって。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。