北京五輪へ女子フィギュアのし烈な代表争い。紀平梨花、坂本花織ら有力選手の現状と課題 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 そして、シーズン最初からSPで演技後半に連続ジャンプを入れ、フリーでも後半に3回転フリップ+3回転トーループと、ダブルアクセル+3回転トーループ+2回転トーループを入れて得点源にする構成に挑んだ。プログラムの完成度を高めるために、10月初旬のジャパンオープンからスケートアメリカまで4週連続で試合に出場するハードスケジュールで臨んだ。その結果がNHK杯の優勝につながったと言える。

 ただNHK杯もSP、フリーとも3回転ルッツの「不明瞭なエッジ」の判定や、フリーでは3連続ジャンプの4分の1回転不足、また、最後の3回転ループの若干の着氷の乱れなどのミスはあり、全体的にスピードを抑えたように感じられた。

「ショート、フリーともに細かいミスはあったが、それでも演技構成点で9点台が出ているので成長したなと思えています。ただ今回は、安定したジャンプを跳ぼうと思ってスピードをセーブしてしまった。自分本来のスピードで跳べるようになれば、高くて幅のあるジャンプになると思うので、そうしたジャンプをどんどん跳んでいけたらいいと思います」

 坂本がこう話すように、微細な修正次第で自己最高の228.07点を更新し、230点台に乗せる可能性もみせている。

 そのふたりに続く3番手となると、混戦模様を呈している。GPシリーズで結果を出したのは、紀平の欠場もあってスケートカナダとイタリア杯を2週連続で戦った三原舞依(シスメックス)だ。スケートカナダでは、SPは小さなミスがあって7位と出遅れたが、フリーはノーミスで210.01点を獲得。総合4位だった。

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