宮原知子が語る五輪シーズンへの思い。「自分を信じられなかった」時期を乗り越え、「緊張とうまくつき合えるようになった」 (6ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

 最後の質問、宮原は奥ゆかしく、品のある笑みを浮かべながら、自然な様子で答えた。彼女はそれだけ一途にスケートに向き合っていたのだろう。「氷上の住人」のような人生だ。

 その人生に対し、どんなタイトルをつけるべきなのか?

ーー自伝を出版するとしてタイトルを二文字でつけるなら? 品格、風雅、愚直......。

 好奇心で訊いた質問の答えが、いかにも彼女らしかった。

宮原 えー......。「鍛錬」とかですかね。でも、鍛錬だと苦しい、辛い意味が入ってきちゃうのですが、本当に厳しいしんどい練習も自分は苦ではなくて。そういう時、"スケートが好きなんだな"って思います。

 どれだけし烈な戦いにも、彼女は真っ直ぐ挑むはずだ。

【Profile】 
宮原知子 みやはら・さとこ 
1998年、京都府生まれ。4歳からフィギュアスケートを始める。2014〜2017年の全日本選手権で4連覇。2015年世界選手権2位。2018年には平昌五輪に出場し、日本選手最高位の4位。今季は、GPシリーズのスケートアメリカで7位、イタリア杯で5位。

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