羽生結弦ら日本勢に影響は?今季ルールと見どころを国際審判員に聞く
昨シーズンは大幅なルール改正が行なわれたフィギュアスケート。今季も若干のマイナーチェンジかある。主なものを挙げると――。
●ジャンプの回転不足(アンダーローテーション)とエッジエラーのe判定の場合、基礎点の80%になる。
●アンダーローテーションのGOEのマイナス幅がやや緩和される。
●1回転オイラー(ハーフループジャンプ)のアンダーローテーション判定はなくなり、GOEで減点となる。
●1回および複数の転倒または重大なエラーを含む演技の演技構成点の最高点が明文化され、最大点が下がる。
これらについて、今季も国際大会のジャッジを務める予定の吉岡伸彦氏は、次のように説明してくれた。
「1回転オイラーがなくなるかと思いましたが、なくならず、ほとんど何も変わっていないと言ってもいいかもしれません。昨季までは1回転オイラーにもアンダーローテーションがつきましたが、今季からはシングルジャンプとして認めるものの、アンダーローテーションは取らないことになりました。また、回転不足の範囲が4分の1以上、2分の1未満のアンダーローテーションについては減点幅が小さくなり、今季は基礎点の80%(昨季は75%)を与えることになりました。ただ、いずれも昨シーズンのような大きな変更ではありません」
昨季からの新ルールでは回転不足の判定が厳格化されたが、今回のルール変更でアンダーローテーション時の得点がアップされたのは、難度の高いジャンプへの挑戦を促す狙いもあるようだ。そんな今季の戦いについて吉岡氏は、「すぐに(次の北京)オリンピックではないので、いろんなことを試すシーズンでいいと思います」と言う。
オータムクラシックに出場した羽生結弦 昨季の大幅なルール改正から2シーズン目。トップ選手たちはそれにしっかりと対応し、より成熟した演技を見せてくれるはずだ。ここで昨季のルール改正のポイントをおさらいしておこう。
●男子フリーの演技時間が30秒縮まって4分となる。
●男子フリーのジャンプが8個から7個に減る。
●3回転と4回転のジャンプの基礎点が下がる。
●GOE判定が±3の7段階から±5の11段階に変わった。
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