スケートカナダSPで慎重すぎた羽生結弦。フリーは「燃える」宣言 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 そう羽生が言う最初の4回転ループは、ダウングレードになって右膝を着いてしまった。そして、次のサルコウは3回転になったうえにセカンドジャンプを付けられなかった。その影響もあってフライングキャメルスピンはスピードに乗れず、レベル3でGOE加点も0・43点に止まった。

「4回転ループの失敗で気持ちが動揺したわけではないです。どういう風にミスをしたかというのをパッと思い浮かべて、(4回転)サルコウはこういう風にしようと切り替えはできていましたけど、いろんなことに注意し過ぎたかなと思います」

 昼の公式練習は、モチベーションが上がってくるのをあえて抑えているような、本番へ気持ちを溜めようとしているような練習だった。演技前の6分間練習では、4回転サルコウ+3回転トーループをきれいに決め、着地が少し乱れた4回転ループも次はきれいに決めて練習を終えていた。ジャンプを跳んだのは5回だけだった。

「やっぱり緊張はしましたね。でもそれは不安ではなく、順調にいっていたからこその緊張でした。6分間練習や自分の演技順を待つ間、氷上に上がってからもすべてが順調だったので、そこにちょっと意味づけをしてしまったのかもしれません。今日は昼から気持ちにはすごく余裕があったし、ショートは自信を持ってできていたので、それで少し自信が過剰になっていたのかもしれません」

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