杉山しずかが総合格闘技16年目で掴んだ初のベルト 「やめたら楽になるのに」と思いながら戦い続けたワケ
女子格闘家ファイル(8)
杉山しずかインタビュー 後編
(前編:ボディコンテスト日本大会にも出場 「二刀流」に挑む理由>>)
総合格闘技のキャリア16年の杉山しずかは、今年7月に開催されたパンクラス「フライ級クィーン・オブ・パンクラスチャンピオンシップ」で、重田ホノカを相手に1ラウンド1本勝ちを収め、初のタイトルを手にした。何度も「格闘技をやめよう」と思ったことがあるそうだが、タイトルマッチにどんな決意で臨んだのか。そして、新たな目標にどんな思いで挑んでいるのか、その心境を語ってもらった。
今年7月にパンクラスのベルトを獲った杉山しずか photo by 田中亘
【格闘技をやめようと思ったことは「何度もある」】
――杉山選手はDEEP JEWELSの印象が強いので、パンクラス参戦は少し驚きました。どのような経緯で決まったのでしょうか?
「まず、対戦相手がいなくなったのが大きな理由です。そこから『海外に挑戦しようか』とか、ONE ChampionshipやPFL(アメリカの格闘技団体Professional Fighters League)など、いろいろと話をいただいていました。ただ、試合をしなかった期間が長かったので、海外挑戦が自分に合っているかちょっとわからなくて......」
――2022年5月の中井りん戦から2024年3月のライカ戦まで、約2年間空きましたね。
「その期間も練習はしていて、修斗やパンクラスに出場している藤野恵実選手や黒部三奈選手などから『どうしてこんなに練習で強いのに試合には出ないの?』と何度も言われました。それで彼女たちが『私たちが話してみるよ』と言ってくれて、パンクラス参戦を意識するようになりました」
――その間、格闘技をやめようと思ったことはありましたか?
「何度もありますね。やめたら楽になるのに、と思うことも多かったです」
――それでも続けてきた理由は?
「やめたら何も取り柄がないと感じているんです。たとえば、スパーリングをしている時に自分の強さを感じると、『まだいける』『まだ勝てる』と思えるんですよ。それに、私はこの年齢(37歳)になってもほとんどケガをしないので、そこは恵まれていると思います。周りにはケガで引退する人も多いですから」
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