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小川直也が語る今の日本柔道界。
若手ホープに期待も、重量級には喝! (3ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Kyodo News

現在の日本柔道界について語る小川直也氏現在の日本柔道界について語る小川直也氏──小川さんの柔道は、体格を活かして奥襟を掴み、相手を抑えつけるような柔道でした。どっしりと組み合って、それでいて技が多彩で。

「現在の柔道の先駆けだったんじゃないかな。今のように『指導』が早くもらえるルールだったら、もっと楽に勝てたと思うよ。昔のルールでも反則勝ちで何回も勝っていたからね。

 俺の上の世代にあたる山下先生や故・斉藤仁先生の時代は、釣り手は前襟を掴んで戦うスタイルが主流だった。それだと、長身の選手は対応できないから、俺は上から奥襟を掴んで戦う柔道をやり始めて、その後に世界がマネをしたんですよ。シドニー五輪の決勝で篠原信一と戦って、誤審騒動の末に優勝したダビド・ドゥイエにしても、現在のリネールにしても、根本には俺がやっていた柔道がある」

──昨年のリオ五輪で、全階級のメダル獲得に導いた男子チームの井上康生監督の手腕についてはどう見ていますか?

「全員が金メダルを目指したからこそ、全階級でメダルを獲得することができた。そういう姿勢は今後も継続していってほしい。金メダルを目指す者しか金メダルには届かないし、3位を目指す人間は3位にもなれない。前任者の篠原も頑張っていたんだろうけど......。監督っていうのは、技の指導うんぬんよりも、選手が力を発揮できる環境を作ってあげることが大事なんじゃないかな」

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