日本女子テニス「6人のティーンエイジャー」が次々と世界へ 海外メディアも注目するニューウェーブ
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今、日本の女子テニス界に、大型のニューウェーブが訪れている──。
それは、数年前から徐々に顕在化していた予兆。その明るい兆しがここ2〜3カ月で、一気に光量を増した感がある。
石井さやか●2005年8月31日生まれ photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る 9月上旬の「全米オープンジュニア(18歳以下)」では、16歳の園部奏八(わかな)が準優勝。
10月上旬の「全日本テニス選手権」では、19歳の石井さやかと18歳の齋藤咲良(さら)の「10代決勝戦」が実現。ワールドクラスの死闘の末に、石井が競り勝ち『秩父宮妃記念盾』を掴み取った。
その翌週に大阪市で開催されたWTAツアーの「ジャパンオープン」では、齋藤が2試合連続でトップ100選手に快勝してベスト8へと躍り出た。なおこの大会では20歳の伊藤あおいも、ベスト4に進出している。
すると、翌週には石井さやかが日本開催の女子ツアー最高グレード大会「東レ パンパシフィックオープン」で準々決勝へと大躍進。その過程では、予選決勝で世界64位のクララ・タウソン(デンマーク)を破り、本戦初戦で齋藤と再び対戦。この注目の再戦は、石井が6-1、6-1のスコアで圧倒した。
齋藤咲良●2006年10月3日生まれ photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る 齋藤や石井を中心とする2005〜2006年生まれは、日本女子テニス豊作の世代だ。前述した選手以外にも、2006年生まれの小池愛菜(えな・17歳)や木下晴結(はゆ・18歳)、クロスリー真優(まゆ・18歳)らはグランドスラムジュニアの常連で、優れた戦績を残している。
木下は齋藤と組み、2023年全豪オープンジュニアでダブルス準優勝。小池は今年の全豪オープンジュニアで単ベスト4入りし、ジュニア世界ランクは最高9位につける。クロスリーは2023年全仏オープンジュニアのベスト8で、ベストランキングは5位。なお石井のジュニア最高位は5位で、齋藤は2位を記録した。
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著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。