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大坂なおみ、強烈サーブで圧倒。「5年前の記憶」が完勝につながった (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 また、相手はセカンドサーブを叩いてくるだろうことを念頭に入れ、その際の戦い方も頭に叩き込む。そして最終的には「相手をコントロールはできないのだから、私が制御できることをしっかりやろう」と自分に言い聞かせた。

 テニスにおいてほぼ唯一、相手の影響を受けず自分でコントロールできるプレーは、サーブだ。だから大坂は、まずはサーブに集中する。

 サーブが好調時の大坂のゲームを、ブレークできる選手はそうそういない。また大坂は、サーブの安定感を後ろ盾に、リターンゲームでは大胆に攻めていく。とくに目を引いたのが、ストレートに叩き込むバックハンドの威力と精度だ。

 ウイナーに呼応し、客席から湧き上がる歓声、さらには「I love you, Naomi!」のラブコールも背に受けて、試合開始から1時間1分、大坂は6−2、6−3のスコアで勝利へと駆け込む。セカンドサーブでも70%の高いポイント獲得率を記録し、相手に一度もブレークチャンスを与えぬ完勝だった。

「次に対戦するオンス(・ジャバー/チュニジア)とも、ライジング・スター以来戦ってないのよね」

 試合後の会見でのこと。ガルシア戦の感想を求められた大坂は、自ら真っ先に3回戦の相手に言及した。

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 3歳年長のジャバーもまた、5年前のシンガポールに参戦した"新星"のひとり。チュニジアという、女子テニスの歴史の浅い地から現れた天才肌なテクニシャンは、そのトリッキーな言動で、コート内外双方で大坂に鮮烈な印象を残したという。

 会場に知った顔もなく、心細い思いをしていた大坂に、ジャバーは「話しかけてくれた唯一の人」だった。

 試合のことも、忘れがたい。

「彼女は、私が今まで見たこともないようなプレーをした。ドロップショットを打ったかと思ったら、突然、フラットに強打を叩き込んでくる。彼女との試合で学んだことは多かったし、すごく印象的だった」

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