【あの人は今】スカッシュ松井千夏は47歳の現役選手「4年後のロサンゼルス五輪に出るためには...」
「あの人は今」スカッシュプレーヤー
松井千夏インタビュー前編
「松井千夏」という名前を覚えている人も、スポーツファンなら少なくないだろう。
四方を壁に囲まれたコートのなかでボールを打ち合う、ロサンゼルス五輪の正式種目に決まった「スカッシュ」の全日本チャンピオンに4度に輝いた名選手だ。
2000年代の初頭には、テレビや雑誌などに「美人アスリート」として多数出演。あれから十数年を経て、どんな女性になっているのか。スカッシュを世に広めた「あの人」を訪ねてみた。
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「美人アスリート」として人気を博した松井千夏 photo by AFLO── テレビや雑誌などの取材は何年ぶりでしょうか?
「30代後半まではちょろちょろと年間、数回あったと思いますが、おそらく10年ぶりくらいでしょうか(苦笑)」
── 2000年代に日本一に4度輝き、当時はスカッシュといえば「松井千夏」でしたよね。
「もうそんなの、はるか昔の話ですよ! どこのテレビや雑誌に出たのかもほとんど忘れちゃいましたよ!」
── 昨年10月、IOC(国際オリンピック連盟)総会で野球・ソフトボール、クリケット、ラクロス、フラッグフットボールとともに、2028年のロサンゼルス五輪からスカッシュがオリンピック競技に決まりました。
「発表の日、日本時間の15時くらいに決まると聞いていたのですが、インターネットの配信をずっと見ていても、なかなか決まらなかったんです。だから息子のために夕食を作っていたら、その間に決まりました(笑)。
スカッシュがオリンピック競技に決まった瞬間は、私もうれしかったけど、周りの人がすごく喜んでくれて......。いろいろと連絡をいただき、それに返信してと、その日はすごくバタバタしていた感じでした」
── スカッシュはロンドン、リオデジャネイロ、そして東京でも選ばれる可能性がありましたが、惜しくも正式競技に決まりませんでした。47歳の今も現役を続けられているそうですが、もっと早く決まっていたらオリンピックに出られたのでは......という悔しさはありませんか?
「やっぱりオリンピックに出たかったといえば出たかったですが、出場できなかったことを悔やんでも自分では何もできなかったですし、どうしようもないですから......。自分が競技から離れていた状態で知るよりも、それでもあきらめずに現役でプレーを続けて、スカッシュがオリンピック競技に選ばれた瞬間を喜べたということが、すごくうれしかったですね!」
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著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。