バスケ日本代表の「ニューカマー」注目は204cmの高校生ビッグマン ダイブも3Pもできる期待の原石

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

新生ホーバスジャパンのキーマン(後編)

◆前編>>「八村・河村・渡邊の不在」をどうする?

 前編コラムで紹介した脇真大(琉球ゴールデンキングス/SG/22歳)や中村拓人(広島ドラゴンフライズ/PG/23歳)以外にも、今回のFIBAアジアカップ予選2試合で出番があった場合、どれほどのプレーを見せてくれるのか注視したい選手はいる。

 たとえば、三遠ネオフェニックスの大浦颯太(おおくら・そうた/PG/26歳)と大阪エヴェッサの牧隼利(まき・はやと/SG/26歳)は、ホーバスHCからは両ガードポジションでプレーする「コンボガード」を指示されているという。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

高校生で唯一選ばれた18歳の渡邉伶音 photo by AFLO高校生で唯一選ばれた18歳の渡邉伶音 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る 三遠での大浦は、今回の代表候補にも選出された佐々木隆成のバックアップを務めているが、にもかかわらず今シーズンはB1リーグで7位の3P試投数(平均6.1本)を記録し、成功率も38.8%と高確率、平均得点もふたケタ(10.7)を挙げている。

 一方、今季から大阪へ移籍した牧は、琉球ゴールデンキングス時代からボールハンドラーを任されるなど万能さが光る。琉球では出場時間に恵まれなかったものの、2017年にはU17ワールドカップの日本代表メンバーとして八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)に次ぐ平均得点(10.3)をマークしている。

 ホーバスHCは「1期目」でもSGの西田優大(シーホース三河)をコンボガードとして起用しているが、パリ五輪での課題を踏まえて、大浦や牧といったコンボガードを組み込むことで「ボールと人が動く」スタイルをあらためて探っていくのだろうか。

 そして、渡邉伶音(わたなべ・れおん/C/18歳)にも触れたい。今回唯一、高校生(福岡大大濠)ながら代表候補に名を連ねた204cmのビッグマンは、アンダーカテゴリー時代から知られた存在。昨シーズンは特別指定選手制度を使ってB2のライジングゼファー福岡でもプレーしている。

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著者プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

【写真】パリ五輪女子バスケ「日本代表・全メンバー」ギャラリー

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