標高は富士山5合目。ホンダは旧型エンジンで高地対応できるか? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 一方、メルセデスAMGは前戦のアメリカGPで、リアのホイール改修を強いられたこと、決勝前に水タンクを交換したところマシンバランスが大きく変わってしまったこと、そして予選後にリアの最低内圧が上げられてブリスターが起きやすくなったことで失速し、優勝を逃した。メキシコGPでメルセデスAMGが同じ失速を繰り返すとは考えにくいが、彼らもレッドブルには警戒している。

「昨年もフェラーリとレッドブルがトップ3に入り乱れたように、ここではパワーの差が縮まり、レッドブルはそういう条件下で力を見せてくる。今年も力強いライバルになると思う」(ハミルトン)

 その反面、フェラーリはストレートを武器にメキシコGPに自信を見せる。

 アメリカGPでもフェラーリは、コーナリングが速いメルセデスAMG勢に対してストレート速度で上回り、それを武器に予選で0.06秒差に肉薄。決勝ではキミ・ライコネンが優勝をかっさらった。1.2kmというシーズン最長のストレートを誇るアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで、それが大きな武器になるだろう、というのがフェラーリだ。

「ひとつ目に、僕らは最高速が速くて、ここは長いストレートがある。そしてふたつ目に、ここではダウンフォースレベルが低い状態で走らなければならない。マキシマムダウンフォースのパッケージでも、そういうフィーリングは得られないんだ。今年の僕らは去年よりもストレートがコンペティティブだし、ここで僕らが最速であることを期待しているよ」(ベッテル)

 メキシコの標高は、中団グループの争いにも影響を及ぼすかもしれない。

 シーズン途中のチーム名称変更で失った前半戦のポイントを足せば圧倒的なランキング4位に位置するフォースインディアの松崎淳エンジニアは、メキシコGPに向けてこう語る。

「このサーキットではエンジンパワーだけでなく、冷却なども含めた総合力が勝負になります。フェラーリはここでも強いはず。ルノーが苦しんでくれることを願っていますが......ここはマキシマムダウンフォースのパッケージでの勝負ですから、我々としては厳しい。とはいえ、中団グループは各チームともそれほど大きな差があるわけではなく、50歩100歩の状態です」

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