ホンダ5位入賞もアロンソは怖い顔。「鈴鹿での大惨敗を忘れるな」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ホンダの地元・日本GPでマシンの性能不足を突きつけられたマクラーレン・ホンダは、事態を重く見て「ビッグミーティング」を開き、その分析と原因究明のために徹底的な話し合いを行なった。日本GP後に栃木県のHRD Sakuraに立ち寄って来季に向けた技術ミーティングを行なう予定だったマクラーレン側の上級エンジニアたちも、その予定をキャンセルして急きょイギリスの本拠地へと戻ったほどだ。

 パワー不足ゆえのストレートの遅さ、空力性能不足ゆえの高速コーナーの遅さ、そして脚回りのしなやかさを欠くがゆえのトラクション不足――。今まで目を背けてきたMP4-31が抱える問題に、ようやく正面から向き合うことになったのだ。

「ようやく今ごろになってというのは遅すぎるかもしれない。でも、来年のマシン開発を考えれば手遅れではないからまだマシだった」

 あるチーム関係者はそう語る。

 問題はマクラーレンがシミュレーションで算出したものが、コース上での実走できちんと再現されないことだという。そのシミュレーションをもとにセットアップを用意してくるが、マシン挙動が不安定でセットアップ変更に追われることになる。ラップタイムも想定どおりに出ない。鈴鹿を例に取れば、シミュレーションで算出していたラップタイムよりも1秒から2秒も遅いタイムでしか走ることができなかったという。

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