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レアル復帰で「神通力」は通用するか 「モウリーニョを演じる」モウリーニョの劇場型マネジメント (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

 その神通力は今も通用するのだろうか。価値観、道徳観、サッカー観......さまざまなものが日々、変化している。

 2013年にレアル・マドリードを去ったあとのモウリーニョは、チェルシー(第2次政権)、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、ローマ、フェネルバフチェ、ベンフィカと指揮を取ってきたが、結果は下降線をたどっている。2026年2月には、ベンフィカを率いてチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16をかけてノックアウトフェーズプレーオフを戦ったが、レアル・マドリードの前に轟沈した。そのベンフィカは、シーズン初めにフェネルバフチェを率いていたモウリーニョがCL出場をかけたプレーオフで負けた相手だった。

 かつての威光は、いつのまにか消えている。「モウリーニョはモウリーニョという役を演じきって、ひとつのサイクルを終えた」とも言われる。高潔だったプレースタイルは勝利至上主義に陥り、退屈なアンチサッカーになってしまった。選手たちがそれに飽きて、士気のも低下した。

「つまらない」と、かつては神格化していたファンまで、そっぽを向くようになってしまった。

 はたして、2度目のレアル・マドリードの監督として華々しい"再起の狼煙"を上げることはできるのだろうか?

 ともあれ、モウリーニョは劇場化によって目覚ましい成功を手にしたと言える。それはアカデミー賞ものの演技だった。たとえ彼に失格の烙印が押されることになったとしても、2026年に再び世界に冠たるクラブの監督に就いたこと自体、モウリーニョが本当に「Special One」だったからかもしれない。

ジョゼ・モウリーニョ
1963年、ポルトガル・セトゥーバル生まれ。ポルトガル2部でプレーしたが、プロ経験はない。現役引退後、体育の教師やユースチームの指導者を経て、ボビー・ロブソンの通訳としてスポルティングのスタッフ入り。バルセロナでも通訳やアシスタントコーチを務め、2000年、ベンフィカの監督に就任。その後、ポルト、チェルシー、インテル、レアル・マドリードなどを指揮し、多くのタイトルを獲得する。2026年、再びレアル・マドリードの監督に就任。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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