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【プレミアリーグ】三笘薫は果敢さを取り戻せるか 長身のアイルランド代表DFを相手に縦突破が見たい (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 三笘は左ウイング専門の選手だ。ミンテは左右ともにプレーできる。昨季までブライトンに所属したシモン・アディングラ(現サンダーランド、コートジボワール代表)や、この試合、ミンテと交代で右ウイングの位置に入ったフェルディ・カドゥオール(トルコ代表)も同様だ。そうした多機能性が三笘にはない。その分、スペシャリストとしての魅力を発揮する必要がある。さらに上のクラブを狙う上でも欠かせないテーマになるが、フラム戦では左ウイングらしさを発揮する機会がなかった。心配になるぐらいおとなしいプレーに終始した。

 そのプレーを独断で採点すれば10点満点で甘めにつけても5.5。イエローカードを受けているので、5と言われても仕方がない。

 それはそのまま、24日22時に行なわれるエバートン戦の見どころになる。三笘は果敢さを取り戻すことができるか。

 エバートンの監督はデビッド・モイーズだ。けっして攻撃的な指揮官ではない。リーズに0-1で敗れた開幕戦でも、攻撃的な昇格チームを相手に、支配率で劣るサッカーを展開している。攻撃的なブライトンに対し、ホーム戦でありながら引いて構える可能性は高い。

「引いて守る相手はサイドから崩せ」というセオリーに従えば、ブライトンの攻撃は三笘のウイングプレーがカギになる。対峙するエバートンの右SBジェイク・オブライエンは197センチの長身だ。柔よく剛を制すではないが、ステップワークの細かいドリブルで、このアイルランド代表選手を混乱させることができるか。縦突破にどれほどトライし、何本抜ききることができるか。左足で決定的な折り返しを決めることができるか。目を凝らしたい。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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