イタリアで最も熱狂するミラノダービーの地「サン・シーロ 」インテルと ACミランの本拠地~欧州スタジアムガイド~

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

欧州サッカースタジアムガイド2024-2025
第8回 スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(Stadio Giuseppe Meazza

 ロンドンのウェンブリー・スタジアム、マンチェスターのオールド・トラッフォード、ミラノのジュゼッペ・メアッツァ、バルセロナのカンプ・ノウ、パリのスタッド・ドゥ・フランス......欧州にはサッカーの名勝負が繰り広げられたスタジアムが数多く存在する。それぞれのスタジアムは単に異なった形状をしているだけでなく、その街の人々が集まり形成された文化が色濃く反映されている。そんなスタジアムの歴史を紐解き、サッカー観戦のネタに、そして海外旅行の際にはぜひ足を運んでもらいたい。連載第8回はスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(イタリア)、通称「サン・シーロ」を紹介する。

円柱状のらせんスロープが印象的なサン・シーロ photo by ロイター/アフロ円柱状のらせんスロープが印象的なサン・シーロ photo by ロイター/アフロこの記事に関連する写真を見る

【ミラノ中心部から約30分ほどの立地】

 8月17日に、いよいよ2024-25シーズンが開幕したイタリア・プロサッカーリーグである「セリエA」。昨シーズンはインテル(インテルナツィオナーレ・ミラノ)が20回目の優勝を飾り、2020-21シーズン以来のスクデット(優勝盾)を手にした。
 
 ミラノ市は北イタリアの中心都市で、ロンバルディア州の州都でありミラノ県の県都。人口137万人を誇り、首都ローマに次ぐイタリア第二の都市だ。イタリアだけでなく欧州経済市場においても重要拠点となっている。そんな北イタリアの大都市を本拠地としているのがインテル、そして優勝19回を誇るACミランだ。なおインテルは欧州王者になること3回で、ACミランは7回も欧州を制している。

 イタリアを代表する強豪ライバルクラブの2チームが今でも使用しているホームスタジアムが、「サン・シーロ」の愛称で世界的に知られる「スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ」である。このスタジアムは比較的ミラノの中心部から遠くなく、地下鉄1号線であればロット(LOTTO)下車、地下鉄5号線であればサン・シーロ・スタディオ(SAN SIRO Stadio) 下車して5分ほどで、中心部からであれば30分ほどで到着する。

 赤黒のユニフォームからイタリア語で「ロッソネロ(Rossonero)」と呼ばれるACミランは、1899年イギリス人アルフレッド・エドワーズが中心となって創設されたため、現在でも「ミラン」と英語読である。元日本代表MF本田圭佑もプレーしたチームである。

 一方、元日本代表DF長友佑都が在籍したインテルは1908年にミランが外国人の出場に制限を掛けたために独立して誕生したクラブである。インテルは、英語の「インターナショナル」という意味である、イタリア語の「インテルナツィオナーレ(Internazionale)」の省略形だ。国内ではユヴェントスに次いで人気が高く、黒青のユニフォームから「ネッラズーロ(Nerazzuro)」と呼ばれている。

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著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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