代表選出の細貝萌。なぜドイツと日本で評価が分かれるのか
日本代表のニュージーランド戦のメンバーが発表され、欧州組からヘルタ・ベルリンの細貝萌も名を連ねた。
クールなたたずまいとは裏腹に、熱いプレイで見る者を魅了しているヘルタの細貝。ボランチというチームの核となるべきポジションで存在感を最大限に発揮する。プレイだけでなく、ドイツ語で他の選手たちに指示を飛ばし、状況によって周囲を鼓舞する姿は頼もしい。今季ヘルタでは全試合に出場。まさに欠かせない存在なのである。
現在リーグ戦7位のヘルタ・ベルリン。チームを牽引する細貝萌 一方、日本代表では常連ではあるものの、こちらでは控えに甘んじている。出場数をひとつの評価の物差しだとすれば、ブンデスにおける彼と日本代表における彼への評価はかなり違うものになると言える。
ブンデスでの高評価のポイントはその守備力にある。1対1の勝負を好み、その勝敗をツバイカンプフ(Zweikampf) という言葉で、毎試合、何勝何敗と数字を算出して評価の対象とするブンデスリーガ。そこでは細貝のように相手のプレイを体を張ってつぶすことのできる選手は好まれる。特に守備陣の場合はそうだ。一方、例えば内田篤人のような繊細でクレバーなプレイは、チームメイトや対戦相手からの評価は高くても、なかなかメディア上では取り上げられない。理解されにくいプレイスタイル、と言っていいかもしれない。細貝はその点でドイツ人好みなのである。
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