ファジアーノ岡山、待望のJ1昇格はこうして叶った――悲願達成の糧となった2年前の経験
念願のJ1昇格を決めたファジアーノ岡山 photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 今季のJ1昇格プレーオフを勝ち上がり、ファジアーノ岡山をクラブ史上初のJ1昇格へと導いた木山隆之監督は、今回が自身5度目のプレーオフ挑戦だった。
過去4度は、すべてプレーオフ敗退。これまでに率いたジェフユナイテッド千葉で、愛媛FCで、モンテディオ山形で、そして岡山で、いずれも上位進出を果たしながらJ1昇格はならなかった。
しかし、今回がこれまでと違っていたのは、岡山で挑む2度目のプレーオフだったこと。木山監督が同じクラブでもう一度挑戦権を得るのは、これが初めてだったのである。
2022年プレーオフ1回戦――。ホームで山形に0-3と敗れた試合後、木山監督はこんなことを話していた。
「(自動昇格が難しくなった時点で)プレーオフを目指して、いろんなことをやれる可能性もあった。心理的なものも含めて、最後5試合は非常に難しかった」
当時の岡山は、J2のリーグ戦をクラブ史上最高となる3位でフィニッシュ。J1昇格への期待が高まるなかで喫した完敗に、指揮官は悔恨の言葉を口にしていたのである。
木山監督が当時を振り返る。
「前回はプレーオフに行けることはある程度(早い段階で)決まっていて、だけど、自動昇格も可能性がないわけじゃない時間をすごしてきていた。それで、ホーム最終戦でブラウブリッツ秋田に負けて自動昇格がなくなって、でもプレーオフは決まっている状態だったので、少し気持ちの切り替えというか、プレーオフを勝ち抜くんだぞという雰囲気をちょっと作りきれなかった」
だが、今季は違った。
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