武藤雄樹35歳が語る、自らのサッカー人生と残りの現役生活「まだ自分に期待している部分がある」

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki

SC相模原
武藤雄樹インタビュー(後編)

SC相模原での活躍を誓う武藤雄樹 photo by Sano MikiSC相模原での活躍を誓う武藤雄樹 photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る――武藤選手は今季がプロ14年目のシーズン。長くJリーガーとして活躍していますが、いつ頃からプロを目指していたのですか。

「子どもの時から『いつかプロになりたいな』って思いながら、ずっとサッカーを続けていましたけど、明確にってなると、高校の時に一度、柏レイソルの練習に参加したことがあって、そこからですね。その時はプロになれなかったんですけど、練習に参加してみて、もしかしたら手が届くかもしれないなって感じた部分もありましたし、そこから流経大(流通経済大)に進学して、本気で目標にしました」

――大学卒業後は、何が何でもプロになってやるぞ、と。

「そんな感じでしたね。もともとは高校を卒業してプロになりたいという夢があったんですけど、僕はアンダー(年代別)の日本代表どころか、神奈川県選抜にも入っていないような選手だったので、現実的にはやっぱり難しいのかなと感じていましたし、選手権(全国高校サッカー選手権大会)に出てアピールするんだとも思っていましたけど、結局出られませんでしたし。

 でも、流経大に行けば、必ず4年後にはプロになれるという思いで大学には入りました。実際にプロになっていく先輩たちを見ながら、ここで頑張れば必ずプロまで行けるんだっていう思いを持って、4年間過ごしていました」

――無名の高校生がプロの練習に参加してみた実感は、どんなものでしたか。

「僕は昔、結構ドリブラーだったので、ボールを持ったら仕掛ける感じでしたけど、意外とドリブルが通用したというか、紅白戦で点を決めたりして、やれるんじゃないかって思いました。でも、その反面、タッチ数に制限がついたゲームをやると、そこではまったく何もできない。『こんなに判断のスピードが違うのか』『これがプロのレベルなのか』と思い知らされました。

 レイソルの当時の強化部の方からも、『まだプロのスピードに追いつけてないね』って言われましたし、そこは納得できるところでした。もう一段階上のレベルでサッカーに取り組みたくて、強い大学に行きたいって思ったんです」

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