宮澤ひなた「マンチェスターでやってきた自分の成長した姿を見せたい」パリ五輪に向け完全復活宣言

  • 早草紀子●取材・構成 text&photo by Hayakusa Noriko

なでしこジャパン
宮澤ひなたインタビュー(後編)

 女子ワールドカップ得点王――この称号をどう受け止めるか。

 イングランドの強豪マンチェスター・ユナイテッドでプレーし、なでしこジャパンのメンバーでもある宮澤ひなたにとって、この称号が時に重圧となることもあれば、時に大きな後押しになることもある。それは、本人の受け止め方次第である。

 パリ五輪代表メンバー発表前のなでしこジャパンのスペイン遠征では、昨年12月のブラジル遠征でケガを負って戦列を離れていた宮澤がどんなプレーを見せるのか、大きな注目を集めた。プライドと意地を持って臨んだ最後のアピールの場だったが、彼女の前には大きな壁が立ちはだかっていた――。

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前編◆宮澤ひなた、紆余曲折を経てつかんだ栄光と世界への扉>>

――世界のトップリーグとされるイングランドのスーパーリーグ。各国の代表選手が集まるリーグで実際に戦ってみての率直な感想を聞かせてください。

宮澤ひなた(以下、宮澤)「そろそろ海外へ行かないといけない」「このままだと置いていかれてしまう」と思うきっかけになったのが、イングランドとの国際親善試合(2022年11月/0-4)だったので、その国のリーグでプレーすることへの想いはありました。

(同リーグは)チームによって色は違いますけど、フィジカルは絶対に必要。みんな強いし、蹴れるし、走れるし。そこは、イメージどおりでした。でもそのなかで、日本人のよさをあらためて知ることになりました。器用さ――細かい修正だったり、相手を動かす動きだったり、その辺りのこだわりは実は日本のほうが強いんじゃないかなと思います。

 このパスは右足にほしいとか、(自分が)こう動いたらこのスペースが空くから(そこにパスがほしい)とか、日本では感覚的にみんながわかっていて、一緒にプレーしていても意思疎通ができるんですが、イングランドではそうはいかない。つないでほしいのに蹴っちゃうとか、柔らかいパスがほしいのに強いパスが来ちゃうとか......。

 世界のトップレベルのサッカーを体感するなかで、海外選手のタレント力と日本の選手のよさ、両面を感じることができているような気がします。

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